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何もしない日々

ネタバレ 君たちはどう生きるかで感じたことメモ

今日の日記は、宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」を観て感じたことをメモするだけの内容です。

 

実は予約時にミスってレイトショーを予約完了!した後で

いやいや有給取ってるんだから朝に観れるじゃん。観るか?観る!

と勢いで朝イチの回も予約して、合計2回観ています。

2回も観たのに浅い薄い部分しか拾えてませんが、自分が観て感じたものを文字に起こしてみます。

 

観る前

  • 君生きバード大喜利を笑っていたけど、内容全然分からないならそうなるよなって思った。
  • 情報無しということで説教か?みたいな与太も飛び出していたけれど、他の人のツイートで「言うて冒険するでしょ」という指摘に、それもそうか、と心を落ち着けていた。
  • 人は信じたいものを信じる。僕は冒険やファンタジーなどのアニメである方を信じていた。
  • それにしても君生きバード擦られすぎて前日深夜にはつまんなネタ戦争が過激化してヤバかったように思う。
  • 一番弄っていた、というか(上映を待つ客も含め)弄んだのが公式。「カヘッカヘッカヘッ」って何だよ。

 

観た後

  • 冒頭火災シーン。いきなり超グリグリ動く。かと思えば印象・心情重視の崩れ高速に流れグチャグチャになる描写を叩きつけられ、火災が主人公に与えるショックの大きさに圧倒される。宮崎駿ヤベ~ってもういきなり分からされた。
  • 再婚相手と言われても、とムスッと心を閉ざした主人公に現れる超美人で母そっくりの和服美人。距離の詰め方エグくていきなり新しい命宿るお腹を触らせるタッチコミュにドギマギ、というほど単純な感情ではなく、主人公も混乱している。観客も混乱している。ただフェチすぎることだけがわかる……駿……ハメを外したな?
  • 「美術やべ~」はあまりにも全編そうすぎて省略。それくらい全部が全部美術は凄い。人のかんたん作画はあるけど美術は全て余すところなく徹底していたと思う。
  • 横から撮影して右から左に部屋の割を超えて場面スクロールするようにパンするカット、のような表現が何箇所かあって、ゲーム的というか第三者目線、みたいな印象を強化しているように感じた。電車から降りて駅員にきっぷを渡し駅舎から外に出る、の一連がワンカットで流れていく場面。ナツコさんを見舞うため部屋に訪れたとき、部屋奥から手前に移動してナツコさんにたどり着くシーン。特に見舞いシーンはわざわざ主人公視点で弓を見つける描写を差し込んでいて、「ん?」と引っかかった。
  • 7人の小人ならぬ7人のババア、しょっぱなから嫌らしさ全開で本能的な拒否感でゾワゾワしてすごかった。ファーストコンタクトババアの群れの石を持ち上げた裏を覗いた時のような嫌悪感、父の荷物を漁る(ように見える)浅ましさの嫌悪感がダイレクトに伝わってくる、駿執念の描写。ここの嫌さは、2回目に観たあとでこのババアは良いババアだと分かっていても、めちゃくちゃ嫌に感じた。
  • でも7人全員個性とアクが超強いのが移動シーンの歩き方やそれぞれ自由に振る舞うためズレていく印象とあいまって、めちゃくちゃ面白かった。この時点で嫌なババアだけどめちゃくちゃ面白いじゃん……って思った。
  • 再婚相手とかいう訳分からんやつに父からの愛が奪われるかもと頑なになっているところにいやらしく浅ましいように見える7人ものババアがいるの普通に嫌すぎて笑ってしまう、7人はやりすぎだろ。まあ何事も多いほうが嬉しいですからね。本当にそうか?
  • 父親は父親で、自分は新しい妻を愛していて能天気でいる。もうちょっと子供の様子気にしろよ、と思うが昭和のオッサンなので仕方ない。眞人君がかしこすぎて、聞き分けが良すぎるというのもあるけれど。
  • 緊張と不安から、自分の部屋で眠る眞人。この時の悪夢は、たぶんアオサギに汚染される前の時系列を遡った母親本人から送られたイメージのような気がする。まあ、これ以降は助けてだのなんだのが差し込まれてもうアテにならない。
  • 眠る眞人を見るナツコの、目に乗った感情、怖かった。色々混じり合った感情の乗った流し目がどうしても忘れられない。その感情の答えはクライマックスで分かるのだけど。
  • ひとりぼっちであると感じている眞人はこっそり父の帰りを待つが、気付かぬ二人は普通にチューしてイチャついてめちゃくちゃ気まずい。聞き分けのいい眞人は黙って部屋に戻るが、この疎外感が後のプッツンに繋がってしまう。
  • クルマで乗り付けたら凄いぞォ~じゃねえんだよな。だからイジメられるんだって、まあそんなん無くてもムスッとしたイケ好かないイケメン都会野郎が転校してきたらイジメられるに決まっていますが……
  • 浅ましくも頭の良い眞人君は、ケンカで怪我したということにすると父親に心配してもらえると思って自分の頭を拾った石で傷つけてしまう。子供らしい幼い発想で深い傷となってしまって案の定痛い目に遭う……というのは話の流れなんだけど、この結果ガキ大将とその家庭が何らかの不利益を被ったことは想像に難くなく、それに対する精算も何もなさそう。おそらくは、そういった事自体が「自分は汚れている」ということなのだろうけど。
  • それにしても血の量の強調がエグすぎてちょっと面白かったけど。あの勢いで出血したら流石に死ぬ。
  • そして父親は心配を通り越して暴走して相手をとっちめるなどと宣っている。違うそうじゃない、あの女じゃなくて僕を愛してほしいのに。転んだだけ(だから犯人探しなんてしないでくれ)と何度言っても分かってくれない。疎外感。
  • 愛してくれると思った父親はあてにならないなか、献身的に自分を想ってくれたのは、ババア達だった。この目覚める時の担当ババアが、ちょっと可愛げのある方のババアなのがずるい。
  • アオサギとのバトルで粉砕した木刀を片付けてくれるババア。このシーン最初の案では”粗相”をした眞人の世話をしてくれるとかだったりしない?流石に無いか。
  • 回復後は、献身的に世話してくれたババア達との距離が近くなる。なんだイイヤツじゃないか、と心情のバイアスが取れて、ババア達が嫌な生き物の群れから、普通の人に変わる。メシがまずい、とわがままを言ってみたりもできるようになる。わがままは、父親にもナツコさんにも言えていないのに。
  • 竹の弓一式を揃える手順が丁寧すぎて面白い。さっき拾ったキーアイテムで買収、は子供やることか?眞人少年、賢いけど手癖悪くて笑う。最後も手癖で石拾ってるしね……
  • 敵素材スクラビルドでアオサギの矢ゲット、あまりにもゲーム 駿……ティアキンやったな?
  • お供に選ぶババアが誰かによってルート分岐しそう。たぶん矢の訓練中に誰に見られるか、とかどの武器を選ぶか、みたいなので分かれる。会話して親愛度上がっている奴が来る。隠しルートはジジイ。
  • 異世界編からは現代編ほどは面白くはなくて、説教臭さがどうしてもあった。しかし必要だったようにも思う。
  • 生きるということは死についても向き合わなければいけないので魚をさばいたり、死者のあり様を見せたりする。ルールやしがらみもあるし、異世界でも生きるのは大変。ファンサービスシーンがバンバンに出てくるのも異世界ですね。細かいファンサービス系は他の人に任せたい。
  • わらわらさん可愛いよね、グッズはわらわらさんのやつが欲しい。なぜか広告宣伝無しらしいからあんまり望めなさそうなのが惜しい。
  • あとインコ、味わいがありすぎるのでインコのグッズもめっちゃ欲しい。この世界に生きる生物すぎて、生活感を通り越して生の存在感でちょっと怖かったけど、見た目はかわいい。
  • 母親が幼くなってめちゃくちゃ可愛くてドキドキするをやる。駿、ハメを外してるな。
  • めちゃくちゃ攻撃力の高い白い骨は何?RTAとかでめっちゃ役に立ちそう。ティアキンでも使いたい。
  • 死者は殺生ができない。生者は生きるために殺生をする。インコはめちゃくちゃ肉を食うし派手に消費しているし娯楽も消費しまくっている、そんなのが石の塔の中にギチギチに詰まっている。ペリカンは飢えてふわふわさんを食っている。
  • この物語が宮崎駿監督の自伝的な側面を持つとした時の、異世界編というジブリという石の塔を立てた以降の彼を取り巻くものが相当に示唆的で、しかし、まだ整理できていないしする気もあんまりない。そういう考察はもっと頭のいい人がうまいことやってくれるはず。ただ、インコとして描写したそれがもし増えすぎたジブリスタッフや観客だとしたら、冷たい視線だと感じる。たぶんそんな単純な話ではない。
  • 新しい母は眞人を愛しているけど大嫌い。インコは可愛いが残酷だとも思う。わらわらさんという尊い想いがあるが、ペリカンを食わせるためにその小さなわらわらさんを犠牲にしている。好ましくありその逆でもあり、優しくする気持ちや割り切る気持ちがあり、どちらの心もあるのだと思う。

 

おわりに

非公開だったことで感じていた不安な気持ちはすべて晴れた、と断言できます。

最高品質のアニメーション作品で、自分の中の価値観をどこか揺さぶられて、

映画を観た後に、心の棚に何かが一つ足されるような作品だと思いました。

ただ、あまりに既存の枠組みで語る事が難しくて、

人によって感じるもの得るものも違うだろうなとも思います。

つまらなかった、とだけ思う人もいるかもしれませんが。

 

とにかく観て良かったです。

SNS時代で、他の人の感想がどうしても目に入って判断基準の一つになってしまいがちな昨今で

まっさらな状態でジブリの新作を観ることが出来たのは、いい経験だったと思います。

 

君たちはどう生きるか

それは、例え業火に焼かれる運命だとしても、苦痛の無い世界に背を向けてでも、この非日常の体験を忘れてしまうのだとしても、色々な思いを抱え日常を生きて、生きて、生き抜くという事なのかもしれない。体を労れ、地獄大使